スペードの女王(前略)ゲルマンは伯爵夫人から3枚のカードの秘術を聞き出そうと懇願した。 しかし、伯爵夫人がだまっていたため、ピストルを向けて教えるよう脅迫した。 そのせいで伯爵夫人はショック死したようだった。 たたられることを恐れたゲルマンは葬儀に出席し、棺の前にしばらくひれ伏した。 棺台の段をのぼり身をかがめた瞬間、死人があざけるように彼を見て片眼をしばたたいたように思われた。 ゲルマンは急いであとずさりしたはずみに足をふみはずして仰向けに下へころげ落ちた。 伯爵夫人の葬儀の後、ゲルマンは習慣をやぶって珍しく大酒した。 その夜、ふと目が覚めたゲルマンは葬儀のことを考えていた。 玄関のドアをたたく音が聞こえた。扉が開いて白衣の女がすべるように入ってきた。 それは伯爵夫人であった。 伯爵夫人は、「3」、「7」、「1」と続けて張ればお前の勝ちだと教えてくれた。 ただし、勝負はひと晩に1枚以上張ってはいけない、一生涯もう二度とカルタを手にしてはいけない。 また、養い子のリザヴェータを嫁にもらってくれるなら、わたしを殺した罪は赦すともいった。 ゲルマンはながいことわれに返ることができなかった。(続く) プーシキン(中村白葉訳) スペードの女王より |
短評 伯爵夫人のいったことは、「3」を張った時点でもう二度とカルタを手にしてはいけないというふうにも解釈できますが… まあ、「4」、「6」、「8」だったら、ゲルマンは信じなかったでしょう(笑) |
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